商店街の「おすそ分け冷蔵庫」が縁に 野菜を通じて始まった夫婦の新生活
暮らし 恋愛 ほっこり
2026-10-23 21:39:54

使いきれない野菜や食品を持ち寄り、必要な人が自由に持ち帰れる「おすそ分け冷蔵庫」が、地域の人々をつないでいる。神奈川県藤沢市の小さな商店街では、冷蔵庫をきっかけに知り合った二人が今春、結婚し、近所の人たちとささやかな祝いの会を開いた。

 八百屋の店先に冷蔵庫が置かれたのは2年前。近隣の住民が、余った食材を無理なく循環させようと始めた取り組みだ。会社員の佐伯真由さん(34)は、転職を機に一人暮らしを始めたころ、料理に慣れず、冷蔵庫の使い方にも悩んでいた。そこで見つけたのが、手書きの「初めての方もどうぞ」という案内だった。

 同じころ、近くで働く小林航平さん(36)も、実家から届く野菜を食べきれず、冷蔵庫に届けるようになった。二人は、野菜の袋に添えられた「おすすめの食べ方」や短いお礼のメモを通じて、少しずつ言葉を交わすようになったという。

 「最初は、かぶの葉のふりかけの作り方を教えてもらったんです」と佐伯さん。やがて商店街の朝市で一緒に野菜を選ぶようになり、交際が始まった。結婚後も二人は、週末に冷蔵庫の整理を手伝い、余った食材を使ったスープを近所の人にふるまっている。

 祝いの会では、冷蔵庫に集まった野菜で作った料理が並んだ。二人は「食べ物だけでなく、声をかけ合うきっかけも受け取った。これからも、誰かが気軽に立ち寄れる場所を一緒に守りたい」と話している。

ぐんない